2010年02月18日
過労障害‐1億9千万円の賠償命令判決(鹿児島地裁)
鹿児島地裁で、過労障害に対する判決が出されました。
国も過重労働対策に力を入れていますし、地裁判決とはいえ、今後の過労問題に対する判決にも影響を与えそうです。
‐‐‐毎日新聞記事を引用‐‐‐‐‐
過労で脳に障害を負い意識不明の寝たきりとなったとして、元レストラン支配人Aさん(35)と両親が、勤務先の会社に約3億5,000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は「過酷な労働環境を漫然と放置した」と、会社側の安全配慮義務違反を認定し、将来の介護費用や未払い賃金など総額約1億9,400万円の支払いを命じた。
上記引用記事にもあるように、過労障害による高額な賠償額は過去を振り返ってみても一例しかありません。金額だけを注視すれば1億9千万円なので高額という印象を受けますが、これを高いと見るのか?どうなのか・・・?若くこれから色々な人生の展望をみることができたであろうA氏の人生を考えれば決して高い金額とは思いません。こうなってしまった状況は取り返しがつかない訳ですから。例えこれだけの賠償額を受け取っても意識が戻るかどうかはわからないのです。
企業経営をするうえで、世の中の数ある労務上の問題の中でも「過労死」「過労障害」は絶対にあってはならないことです。私は日々顧問をさせていただいている会社に対して、優先度合い1で気をつけている部分です。少し語弊がありますが、これ以外の労務問題であれば何とかなります。(他の労務問題はどうでもイイ!と言っているのではありません)しかし、過労死・過労障害は、取り返しのつかない労務リスクなのです。
・月平均200時間の残業
・連続203日勤務
はハッキリ申し上げて異常です。
会社には社員が安全に仕事ができるように職場環境を整える義務=「安全配慮義務」を負っています。また、仮に会社側が業務命令として発しているのではなく、社員が自主的に行った結果であるといった抗弁をしても、この事実(200時間の残業をしている・休みなく働いている)を会社が知っている限り、黙認していたものとされてしまいます。
今回のケースは、蓋をあけたら実態は「名ばかり管理職」状態だったようですが、いわゆる管理監督の立場(レストラン支配人)にあるということで、労働基準法に規定される労働時間の適用を除外していたということですね。
ここに大きな誤りがあるのですが、確かに労働基準法において、管理もしくは監督の地位にある者について、労働時間・休憩・休日は適用除外と規定しています(41条2)が、労働時間の計算や出勤状況などといった「労働時間・勤怠管理」まで会社はしなくてもよい!と言っている訳ではないということです。
管理監督者であっても労働時間・勤怠管理は必要です。
もし誤った解釈で労務管理をされている会社は、即刻、管理監督者についても労働時間管理をされることを強くオススメします。過労問題は、どこか他人事と捉えてしまい、自社に置き換えて考えられないものです。しかし、本件と同じようなことが起きぬようにしなければなりません。
大企業はさておき、中小企業においては、1億9千万円の賠償判決が出てしまうと、その支払いで会社運営をしていくこともままならなくなります。一所懸命に積み上げてきた会社の軌跡が一瞬にして消えてしまうことになるのです。
一例として、労働時間が大きく膨れ上がってしまう業態には、飲食・サービス業、職種別では営業職などが上げられます。これに加えて、その社員が管理職(店長・マネージャー・部長とか)だったりすると、労働時間管理されていない可能性がかなり高い傾向にあります。
まずは、現状を把握することから始めましょう。これが第一の対策です。制度づくりやシステムといったものは、この次の次のステージに出てくる話なのです。
つまり、
・異常な労働時間、労働日数になっていないか?
・残業する社員は本当にいますべき仕事(業務)なのか?
いまの実態を把握するのです。
これらの把握をするためには、会社が「全社員の時間管理(月にどのくらい労働しているのか)」をしていなければ、検証することができません。
そして、今を把握しないと課題や問題点の洗い出しに繋げることは不可能なのです。
放置したままだと、
誰がどのくらい月に働いているかわからない
↓
見て見ぬフリになってしまう
↓
長時間労働が当たり前の組織になる
↓
作業効率が落ちる
↓
さらに労働時間が長くなる
↓
気付いたら手遅れの問題が・・・。
負のスパイラルに陥ります。
過労問題は、会社も社員も誰も得することはありません。時間管理は社員のためだけにやるのではなく、経営リスクから遠ざける意味合いもあります。
社長!
社員の皆さんの労働時間・出勤日数はいかがでしょうか!?
飛びぬけた労働時間になっていませんか?
現状を把握したあとにどうするか?についての対策は、また次の機会にお話したいと思います。
国も過重労働対策に力を入れていますし、地裁判決とはいえ、今後の過労問題に対する判決にも影響を与えそうです。
‐‐‐毎日新聞記事を引用‐‐‐‐‐
過労で脳に障害を負い意識不明の寝たきりとなったとして、元レストラン支配人Aさん(35)と両親が、勤務先の会社に約3億5,000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は「過酷な労働環境を漫然と放置した」と、会社側の安全配慮義務違反を認定し、将来の介護費用や未払い賃金など総額約1億9,400万円の支払いを命じた。
原告側弁護士によると、過労障害を巡る賠償額としては、約2億円の支払いを命じた大阪地裁判決(08年4月)に次いで2番目の高額。賠償額には、症状固定が認定された31歳の時から余命46年分の介護費のほか、介護する両親に対する慰謝料も含まれている。
判決などによると、Aさんは01年にパート従業員として入社し、社員に昇格。03年9月には鹿屋市内のレストランの支配人となったが、残業代の出ない「名ばかり管理職」だった。04年11月、就寝中に意識不明となり、現在も意識は回復していない。鹿屋労働基準監督署は06年1月、労災を認定している。
山之内裁判長は、Aさんが月平均200時間を超える時間外労働や203日間に及ぶ連続出勤のほか、人手不足や過酷なノルマ達成を強いられ、身体的にも精神的にも過度の負担を受けていたとして「過重労働」と認定した。
‐‐‐ここまで毎日新聞の記事を引用‐‐‐‐‐上記引用記事にもあるように、過労障害による高額な賠償額は過去を振り返ってみても一例しかありません。金額だけを注視すれば1億9千万円なので高額という印象を受けますが、これを高いと見るのか?どうなのか・・・?若くこれから色々な人生の展望をみることができたであろうA氏の人生を考えれば決して高い金額とは思いません。こうなってしまった状況は取り返しがつかない訳ですから。例えこれだけの賠償額を受け取っても意識が戻るかどうかはわからないのです。
企業経営をするうえで、世の中の数ある労務上の問題の中でも「過労死」「過労障害」は絶対にあってはならないことです。私は日々顧問をさせていただいている会社に対して、優先度合い1で気をつけている部分です。少し語弊がありますが、これ以外の労務問題であれば何とかなります。(他の労務問題はどうでもイイ!と言っているのではありません)しかし、過労死・過労障害は、取り返しのつかない労務リスクなのです。
・月平均200時間の残業
・連続203日勤務
はハッキリ申し上げて異常です。
会社には社員が安全に仕事ができるように職場環境を整える義務=「安全配慮義務」を負っています。また、仮に会社側が業務命令として発しているのではなく、社員が自主的に行った結果であるといった抗弁をしても、この事実(200時間の残業をしている・休みなく働いている)を会社が知っている限り、黙認していたものとされてしまいます。
今回のケースは、蓋をあけたら実態は「名ばかり管理職」状態だったようですが、いわゆる管理監督の立場(レストラン支配人)にあるということで、労働基準法に規定される労働時間の適用を除外していたということですね。
ここに大きな誤りがあるのですが、確かに労働基準法において、管理もしくは監督の地位にある者について、労働時間・休憩・休日は適用除外と規定しています(41条2)が、労働時間の計算や出勤状況などといった「労働時間・勤怠管理」まで会社はしなくてもよい!と言っている訳ではないということです。
管理監督者であっても労働時間・勤怠管理は必要です。
もし誤った解釈で労務管理をされている会社は、即刻、管理監督者についても労働時間管理をされることを強くオススメします。過労問題は、どこか他人事と捉えてしまい、自社に置き換えて考えられないものです。しかし、本件と同じようなことが起きぬようにしなければなりません。
大企業はさておき、中小企業においては、1億9千万円の賠償判決が出てしまうと、その支払いで会社運営をしていくこともままならなくなります。一所懸命に積み上げてきた会社の軌跡が一瞬にして消えてしまうことになるのです。
一例として、労働時間が大きく膨れ上がってしまう業態には、飲食・サービス業、職種別では営業職などが上げられます。これに加えて、その社員が管理職(店長・マネージャー・部長とか)だったりすると、労働時間管理されていない可能性がかなり高い傾向にあります。
まずは、現状を把握することから始めましょう。これが第一の対策です。制度づくりやシステムといったものは、この次の次のステージに出てくる話なのです。
つまり、
・異常な労働時間、労働日数になっていないか?
・残業する社員は本当にいますべき仕事(業務)なのか?
いまの実態を把握するのです。
これらの把握をするためには、会社が「全社員の時間管理(月にどのくらい労働しているのか)」をしていなければ、検証することができません。
そして、今を把握しないと課題や問題点の洗い出しに繋げることは不可能なのです。
放置したままだと、
誰がどのくらい月に働いているかわからない
↓
見て見ぬフリになってしまう
↓
長時間労働が当たり前の組織になる
↓
作業効率が落ちる
↓
さらに労働時間が長くなる
↓
気付いたら手遅れの問題が・・・。
負のスパイラルに陥ります。
過労問題は、会社も社員も誰も得することはありません。時間管理は社員のためだけにやるのではなく、経営リスクから遠ざける意味合いもあります。
社長!
社員の皆さんの労働時間・出勤日数はいかがでしょうか!?
飛びぬけた労働時間になっていませんか?
現状を把握したあとにどうするか?についての対策は、また次の機会にお話したいと思います。
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