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2009年11月

長時間労働や過重労働が原因で、過労死に至り労災認定された事案を本ブログでいくつか取り上げてきましたが、今回も労災認定事案です。いつもと違うのは、被災者が非正規社員であるアルバイトということ。

---ここから毎日新聞社記事を引用---
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月160時間を超える残業をしていた神奈川県在住の元コンビニエンスストアのアルバイト男性(42)が、過重労働が原因で統合失調症を発症したとして労働災害が認定されたことが分かった。長時間・過重労働などを原因とする過労死、過労自殺の労災認定は、増加傾向にあるが、アルバイトなど非正規雇用労働者の過労労災認定は珍しい。長時間労働が正社員だけではなく、非正規まで広がっていることを浮き彫りにした。

申告を受けた労基署は、05年の3月や10月などに月間160時間を超える残業をしている事実をレシートの記録などから確認、「恒常的な長時間労働があり、精神的負荷が強くかかった」ことを原因に統合失調症を発症したとして業務上の災害と認定した。認定は今年9月。

認定では、男性は05年12月以前に発症したとされ、発症から2年近く症状を抱えたまま働いていたことになる。

男性の労働時間を記録したメモによると、この間、月に350~529時間働いていた。ほとんど、店に寝泊まりして働く状態で、賃金は30万円の固定給与だったという。

---毎日新聞記事引用はここまで---

月の残業が160時間は異常です。
20日勤務とした場合、普通に1日で、法定労働時間を2回繰り返している計算になります。そもそも、私は原則として1日に2時間を超えてしまうような残業が毎回発生してしまうのはおかしいと思っています。その昔は「残業こそ美学」とされてきた時代もあったでしょうが、今は違います。業態そのものが変化していて、労働時間が長ければ生産量も上がるかといえば必ずしもそうではありません。

この場合は、残業の発生原因を調べるべきです。仕事量が1人の人間だけに負荷がかかっているのか、そもそも、担当している労働者にその仕事の処理能力がない(ミスマッチ)なのか?を見極める必要があるのです。なぜなら、長時間労働は、会社にとっても、そこに働く社員にとっても双方に何のメリットもないからです。
今回のケースは予想するに前者。明らかに1人の人間に仕事量が集中していたのではないかと・・・。

労災認定された「統合失調症」は、精神疾患の一つとされていて、妄想や幻覚を見てしまうなどの症状があるようです。精神疾患に係る労災認定は、本年4月に基準が10年ぶりに見直されました。こうした影響から私は、「労災認定のあり方」が確実に変化してきていると感じています。

仕事量の変化における着眼点(勤務時間中はいつも仕事に追われる状況になった等)が、より詳細になっていますし、非正規社員であることの理由等によって、仕事上の差別、不利益取り扱いを受けたなどの項目も付け加わりました。新たに12項目が加わり、43項目の構成になっています。これまでの基準では、非正規までのことを考慮して策定されていなかったように感じますが、非正規社員の占める割合が増えたこともあり、この辺りも考慮した作りとなっている印象を受けます。

アルバイトの過労による労災認定が珍しいとはいえ、非正規であっても、認定基準が詳細に設定されたことによって、より具体的に判断できるようになったので、今後はアルバイト等の非正規社員であっても、精神疾患等による労災認定の事案は増えてくると思われます。

アルバイトと長時間労働の結びつきは意外な感じがするかもしれませんが、不測の事態に備え、雇用の調整弁として、企業はこれまで正社員から非正規社員へシフトしている経緯があります。しかし、その一方で、非正規であっても、仕事の内容は正社員とほぼ同じであったりという現実があります。従来のような、パート・アルバイトだから「その時間だけ限定的に働く」というような勤務形態を採っているところばかりではない気がしますね。


会社の対策としては、冒頭で述べたように、まずは「現状把握」です。
残業に陥るケースは2点しかありません。

(1)人手不足なのに仕事があり過ぎる
(2)担当している人間の能力不足による業務の遅延

長時間残業が恒常的に発生している会社は、まずどちらに該当しているかを見極めましょう。仕事を進める上で非効率なところはないか?あるいは残業をしていても、その残業は、その日に行うべきものであったか等も含めて検討するのです。
「事業仕分け」ならぬ「仕事仕分け」ですね!なぜこんなことを言うのかというと、会社は労働者の時間管理をする義務を負っています。こうした問題が起こると、被災者又はその家族からの慰謝料を含め、会社に対するイメージ・金銭・時間的損失ははかりしえないからです。

あと、一番良いのは、担当している社員や、担当部署に直接聞いてしまうのも手です。ざっくばらんに「どう?」と。改善提案をさせるのです。担当している人間が1番よく知っているのですから。実はこれ一石二鳥です。まず、残業恒常化の原因が探れるし、提案をさせることで社員は仕事をしながら考えることをします。考えて動く、つまり「社員の育成」にも繋がるんですね。

長時間労働のない職場環境を目指し、生産効率の良い会社作りをしていきましょう!

政府がデフレ公式宣言を、2006年6月以来、3年5ヶ月ぶりにデフレであると認めました。確かに色々なお店を見ると、商品が安いことに驚きます。え~コレが!?というようなもの、身の回りで経験ありませんか?仕入れルートであったり、在庫を置かない売り切りにしてしまうなど、各会社によって様々な工夫(コストダウン)をしているからこそ実現できる価格なのかもしれませんが、それにしても「物の価値」というものが本当に下がっていると思いますね。

デフレが恐いのは、モノが安い!といって喜んでいるうちは良いのですが、安い=それだけ会社の売上の減少を意味しますから、当然そこに雇用される労働者がリストラ対象となって削られたり、賃金を低下させたりということになります。賃金低下になった労働者やその家庭は、可処分所得(自分で自由に使えるお金)が低くなるので、購買力を失い消費が冷え込んでしまいます。これがさらに続くと、堂々巡りでデフレスパイラルにどんどんと陥ってしまうのです。

経済評論家の勝間和代氏は、先日のマーケット・アイ・ミーティングの場において、菅直人副総理をはじめ経済財政担当の政務三役に対し、デフレを阻止すべく、政府と日銀が連携強化のうえで金融緩和して大量通貨発行を訴えて、デフレ脱却を強く求められていたのが記憶に新しいと思います。これは結局、政府側が難色を示したために物別れに終わっています。
こうした背景を見ていると、宣言するだけじゃなくて、日銀のお尻をどんどん叩いて働きかけをして誘導していって欲しいと思うのは私だけだろうか?


いま少し景気が持ち直しているのは、麻生前政権での政策による影響です。ボロボロに言われて退陣となってしまいましたが、中小企業への支援をはじめ、保証・貸出枠の拡大、金融機関への資本注入、エコポイントや雇用調整助成金などなど・・・こうした底上げ諸政策の効果が表れはじめているが故に、若干ですが景気が持ち直してきているのです(全然、国民の生活には実感が沸かないものの、大企業をはじめ少しは動きがあるという意味で)。民主党は今はまだ前政権の自民党の果実を得ているに過ぎず、今の日本の現状は鳩山政権の政策によるものではありません。現政権による政策の結果が出るのは、来年以降。年明け以降、日本がどうなるのかは、鳩山政権の腕如何にかかわっている訳です。ここを私たち国民が忘れてはいけないと思います。

政策が吉と出るのか、凶と出るのか?
国民の期待を一心に背負って鳩山政権と民主党に真価が問われています。

過労死で労災認定を受けた企業の公表を求め提訴に至りました。

---ここから毎日新聞社記事を引用---
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過労死や過労による病気で従業員が労災認定を受けた企業名を大阪労働局が公開しなかったのは違法として、夫(当時49歳)を過労自殺で亡くした京都市伏見区のAさん(60)が18日、開示を求める訴えを大阪地裁に起こした。原告弁護団によると「過労死」を起こした企業名の公表を求める訴訟は全国で初めて。

訴状によると、Aさんは3月、02年度以降に従業員が過労で死亡したり病気になり、労災認定を受けた企業名を情報公開請求。しかし「個人の特定につながる」として開示されなかった。

Aさん側は「個人特定の危険性はなく、情報公開法に違反する。労災認定が職場環境改善につながっておらず、再発防止には企業名を公表し監視する必要がある」と訴える。

Aさんの夫は飲食店店長だったが96年、飛び降り自殺し過労が原因として労災認定を受けた。Aさんは提訴後「労働者の命よりも企業の利益を守っている。企業名の公表は(労働者が)会社を選ぶ情報になる」とコメントした。

また過労死や過労自殺の遺族らでつくる「全国過労死を考える家族の会」と過労死弁護団全国連絡会議は18日、長妻昭厚生労働相に精神障害になったり自殺した場合の労災認定基準の見直しや、過労死・過労自殺を出した企業名の公表を求めた。

---毎日新聞記事引用はここまで---

昨年の10月に「過労死どう防ぐ」というテーマで日経産業新聞でコメントさせていただきましたが、過労死や過労により重篤な障害を負うケースが出てしまうと、会社は多額の損害賠償(民事上)を支払うことになり、まず金銭面で大きな損失を被ることになります。

関連エントリー記事>
長期研修のストレスを原因として過労死の労災認定

また、会社に与えるイメージは相当なもので、いわゆる即「ブラック企業」へ名を連ねることになりかねません。そうなれば、良い人材は間違いなく来なくなる。会社に在籍する「社員(=人)」こそが、今後の会社発展にはますます重要となるであろうこの時代に、戦力となる「優秀な人材」が来なくなればその行く末は見えています。場合によっては、即一発倒産に繋がるということを経営者の方々は認識しておかねばならない時代であると思います。

過労死という言葉は近年になってできた言葉で、日本が発祥の地です。つまり勤勉実直な日本人ですから、過労死という問題は諸外国では起きていない日本特有のものなのです。しかしながら、言葉が存在する以前からこうした問題は起きていたと推測します。60年、70年代は突然死というものは存在していました。泣き寝入りに終わっていた人達も当然いて、決して今に始まったことではないと私は思っています。

流れが変わってきたのは、2001年の労災認定基準が見直されて以降ではないでしょうか。基準の見直しによって、過労死認定がされやすくなってきています。昔は埋もれてしまっていたこうした問題が、ようやく表に出て問題視されるようになってきた訳です。この背景には、情報社会による情報スピードや情報量が影響し、労働者側も知識を得やすくなった=成熟してきていることにあります。そのため、過労死絡み・精神疾患関係と労災認定の結びつきは今後も加速していくことになるでしょう。

こうした報道は、なかなか身近な問題として捉えにくいところがあります。うちに限っては大丈夫だろう・・・こうした意識がとても危険です。社員の命に関わる問題だけに、大切な家族に万が一のことがあれば・・・常識で考えて、前述したような知識も備わっていれば誰でも訴え出ることになるでしょう。極論ですが、明日は我が身・・・ぐらいの危機感を持って経営された方が職場の問題点を洗い出す目を持つことに繋がると思うのです。

過労死問題は起きてからではもはや手遅れです。事前対策こそが大切なのです。

時間外労働はどうなっているでしょう・・・月45時間を超えた残業が発生していませんか?職場における人間関係はどうでしょう・・・上司・部下の関係は?職場の風通しは良いですか?まずは、明日から再度把握してみませんか?その行動こそが、トラブルから会社を守る第一歩です。

それは、社員のためであり、会社のためでもあります。

長時間残業が、休日出勤が、漫然と当たり前のように行われている会社は、まさにいま今後の対応が求められています。

中小企業融資の返済猶予措置に係る「中小企業金融円滑化法案」の審議入りがされました。賛否両論のある法案ですが、私は賛成です。
金融機関だって、バブル崩壊以降、税金によって助けられているところがある訳です。100年に1度と言われる経済大不況という嵐の中、中小企業は必死でこれが過ぎるのを待ち、堪えています。毎日、毎月の資金繰りに頭を痛める経営者ばかりなのです。

ただ企業の命をいたずらに引き伸ばす(延命)措置に過ぎない!という反対意見がありますが、不況云々の問題ではなく経営そのものがアウト!という企業は少なくとも私の周りでは存在しません。そして、不況という背景に関係なく経営アウト企業が多数を占めているのか疑問です。

書類上黒字であっても資金ショートを起こすことがあります。しかし、それは経営者の経営判断が悪いという訳ではなく、どの取引先もまた経営悪化によって払うべきものを払ってくれないということからです。大企業ならともかく、余剰資金がある企業ばかりではありません。

また、こんなケースがあります。
詳細は書くことができませんが、事業自体が特殊であるために、仕事が入って売上が立つときはもの凄く売り上げるのですが、途端に仕事が入らなくなることもあるため、資金繰りに困り果てて運転資金として借入金を起こします。頑張って身を粉にして借入金返済のために仕事をして売上げる→売上には税金がかかる→借入金を返済すれば、それは利益と判断(利息は経費になりますが・・・)され、こちらも課税対象となる→税金が後をつけて追いかけてくる→更に資金繰りが逼迫する・・・。この繰り返しです。もちろん、給与を遅配することは社員の生活をも脅かすことになるため、遅配しないようにそちらにも神経をとがらせます。

こういう事例を見て、借入金を起こした経営者が悪いと思いますか?
そもそものビジネスモデルが悪いといいますか?

経営者、そこで働く社員には生活があります。そしてその家族にも。やれアウトだの、潰してしまえ、廃業すればいい!言うのは勝手ですが、こういう事例の中小企業が今の日本は本当に多いと思うのです。特に製造業は、もはや一経営者の経営手腕だけで解決できるようなものではありません。資本主義である以上、弱肉強食の世界、弱いものは消えていくということは前提として考えなければなりませんが、今はそれだけでは語ることのできない問題にぶつかっています。日本経済の根底が中小企業で成り立っていることを忘れてはいけません。企業の減少は、そのまま日本の国力に影響してくるのです。

今回の返済猶予法案が可決されれば、資金繰りの面で建て直しを図ることができる会社が出てきます。そういった意味で、今回の「中小企業金融円滑化法案」は大変有意義なものであると思うのです。一刻も早い法案可決を願ってやみません。
しかし、どの中小企業の経営者も気にされている、この猶予措置を使った場合に次回以降の融資を受けられなくなる可能性については、こうしたことが起こらないような金融機関への対策もあわせて法案審議のときにセットで考えていただきたい内容です。

中小企業の経営者の皆さま!諦めずに頑張っていきましょう!!
明けない夜はありません!!!

---ここから毎日新聞社記事を引用---
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年末の失業者対策を検討している政府の「貧困・困窮者支援チーム」(事務局長・湯浅誠内閣府参与)は16日、解雇などで職を失い、雇用保険の支給が切れた状態で年末を迎える人が約23万人に上るとの推計を公表した。チームは対策の根幹として、ハローワークで職探しと一緒に住まいの確保や生活保護の相談などができるワンストップ・サービスを検討している。30日のサービス試行には、全18の政令市など69自治体が参加するという。
推計によると、解雇や雇い止めで職を失い、12月までに雇用保険の支給も切れる人は約39万人に上る。過去のデータでは、支給が終わってから1~2カ月以内に再就職できる人が4割ほどいることから、最大約23万人が仕事も給付もない状態で年末を迎えるという。チームのこの日の会議では、ワンストップ・サービスの準備状況も報告された。住宅に関しては利用可能な雇用促進住宅が3万7,088戸、公的賃貸住宅が4,291戸あるという。

---毎日新聞社記事引用はここまで---


実は数字に表れていない「隠れた失業者」も存在していることをご存知でしょうか。すべてとは言いませんが、現在、雇用調整助成金を受給している人達です。
雇用調整助成金は、事業経営の悪化から会社都合で休業をする際、会社は「休業手当(※)」を社員に支払わなければなりませんが、解雇者が出て失業者が増えないよう雇用維持をする会社に対し、この支払った額の一定額を雇用保険財源から補填する制度です。この受給人口が約200万人程度いると推計されており、いわゆる「企業内失業者」といわれている人達です。この人達も合わせれば、失業率は8~9%、つまりアメリカ並みの失業率になるのではないかとも言われている訳です。

失業対策の一環で、失業保険をもらう要件が緩和されたことに始まり、失業保険制度も雇用調整助成金も、どちらも「雇用保険」という財源で賄われていますので、財源は枯渇しています。09年度の保険収支はナント約8,000億円の赤字になる見込みです。これを踏まえて厚生労働省では、2010年度の雇用保険率を7年ぶりで引き上げる(現行の0.8%→1.2%)方向で動いています。

■社員の負担(月額給与200,000円の場合)
 現行:200,000×0.4%=800円
 引き上げ後:200,000×0.6%=1,200円
 →月額約400円のアップになる可能性あり?

セーフティーネットとして、現にこの制度で救われている人達もいる訳ですから、社会保障制度である以上、いまの経済・雇用情勢下では引き上げはやむを得ないといった感じがあります。

しかし、不況という問題だけではなく、雇用というあり方がここまで変化してくると、雇用形態そのものも様々であるため、今の雇用保険制度を大きく見直さなければならない時期なのではないか?と切実に思います。制度そのものが、現実と乖離してしまっているような気がしてなりません。
今回のニュースのように、特例的に救済をすることも大切なのですが、これで問題が済むと、また今まで通りの制度を運用していくのでは真の解決には繋がらないと思います。

失業率の高い業種もある中で、

料率は一律で良いのか?
現行制度は業種により最大3つにしか区分されていません。

基準はこれで良いのか?
現行は、6ヶ月以上の雇用見込み+週20時間以上の就労によって初めて雇用保険に加入できます。

派遣・有期雇用社員などの非正規雇用社員への対応は?
別枠で財源を確保して保険料を高くする代わりに、給付を手厚くするとかしても良いのでは?(不正受給も増えると思うのでその対策は考えないといけないと思いますが)


なぜこのようなことを言うかというと、今回のような特例的な取り扱いは、これを実施する地域では良いのですが、地方都市となると、こうした取り扱いをしている地域とそうでない地域とにわかれてしまいます。ここにムラが生まれてしまうのですね。社会保障制度でありながら、全国一律のサービス提供に繋がっていない。

話題が少し逸れてしまいますが、「生活保護制度」についてもこれと同じようなことが言えると思います。同じようなケースの人であっても、都心部では認定で保護され、地方都市では厳しい審査ラインが設けられているがために、都心で認定されているよりも厳しい生活状況の人が保護されていない・・・本来保護されるべき人達が保護されていない現実があります。以前、関西方面で生活保護認定がされなくなったために餓死してしまったニュースも記憶に新しいと思います。都心部と地方都市での物価の違い、人口の違いによる都市の税収等の問題もありますが、それを加味してもおかしなところがあります。

今回の特例的な対策(取り扱い)がそうでないことが望まれますし、雇用保険の給付体系をはじめとする制度そのものの根幹からの小手先ではない見直しを、今だからこそすべきでだと思います。



(※)休業手当とは?
原則として、休業を開始する直近3ヶ月の給与総額を暦日数で割ったもの=平均賃金といいます。労働基準法では、会社都合で休業をする場合、社員に対し平均賃金の最低60%は保障しなければならないことになっています。

第1弾となる「私の本棚」でご紹介する本は、先週13日に発売された本。

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「資格で年1800万稼ぐ法」北村庄吾 著(日本実業出版社)
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私はひょんなことから、発売日当日に手に入れることができまして、非常に興味深く一気に読んでしまいました。3時間くらいあれば読めてしまいます。
著者の北村庄吾先生は、社会保険労務士であり行政書士の有資格者ですが、こうした資格に限られずに、「士業」という大きな枠組みの中で、「成功」している人と「成功していない人」はどこが違うのか?著者の視点から見た違いが列挙され、それについて解説がされています。ちょっとした対談などもあっておもしろいです。
共感できるところが多く、うんうんと思いながら読みました。でも、なるほどね~って新しい発見もありました。

著者自らが経営者であり、資格者であり、そして何百人という数の成功した資格者を見てきたからこそ書くことができるものだと思いました。素晴らしい1冊です。

長時間労働が存在しなくても、長期間の研修によって生じたストレスが「業務との因果関係がある」として、札幌地裁で過労死労災認定がされました。長時間労働が不存在でありながら、労災認定されたのは今回が初めてです。


‐‐‐ここから毎日新聞社記事を引用‐‐‐
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北海道旭川市に住むNTT東日本の男性社員(当時58歳)が急性心不全で死亡したのは「業務変更に伴う長期研修によるストレスが原因」として、遺族が旭川労働基準監督署に対し、労災申請却下の取り消しを求めた行政訴訟の判決が12日、札幌地裁であった。橋詰均裁判長は死亡と業務の因果関係があるとして労災を認め、同労基署に却下処分の取り消しを命じた。遺族側代理人の弁護団によると、残業や長時間労働のないケースで裁判所が労災と判断したのは全国初という。

判決によると、亡くなったのはAさん。Aさんは心臓疾患を抱えていたが、01年4月、会社側から早期退職か業務変更を求められた。業務変更を選んだAさんは02年4月から札幌市や東京都で新業務に必要な技能習得のための研修に参加していたが、同年6月9日に死亡した。

判決で橋詰裁判長は「研修中は時間外労働がなく、労働時間の点で大きな負荷はなかった」としながらも、「日程や実施場所によって心臓疾患を増悪させ、急性心不全が発症した。研修参加、異動の不安が肉体的、精神的ストレスとなった」と判断した。

遺族は03年2月、同社に対し、約7,200万円の損害賠償などを求めて提訴。会社側に約1,660万円の支払いを命じた札幌高裁判決(09年1月)が確定している。

‐‐‐毎日新聞社記事引用はここまで‐‐‐




一般的に過労死と労災認定されるには「残業時間」を判断基準の主要素と捉えられてきました。

業務災害の労災認定されるための判断要素が

(1)業務遂行性・・・前提として会社の管理下で仕事をしているということ。
(2)業務起因性・・・その仕事をしていたから災害が発生した(その仕事をしていなければ災害は発生しなかった)ということ。

の2つをスタートに考えるためです。

仕事中のケガなどは、実際にその場で起きることなので認定判断がしやすいのに対して、過労死や精神疾患については、ケガなどのように、その場でいきなり起こる訳ではなく、一定の期間を経て徐々に症状が出始めたり、実は業務とは関係なく、プライベートが原因で、たまたま発症(突然倒れるなど)したのが就業時間中だったというケースもあるので、非常に認定判断が難しいとされています。しかし、一定の判断基準は設けておかないと、何でもかんでも・・・という事態になってしまうため、前述したような(1)(2)を判断するにあたって、「労働時間の長さ」という、誰しも共通のものさし(単位)と「過労死」は結び付けられて考えられてきました。


これについては、平成18年改正の労働安全衛生法において、月100時間を超える時間外労働をして、疲労の蓄積が認められる場合には医師による面接指導を受けさせるという義務規定が作られました(80時間~100時間の間であっても努力規定)。

厚生労働省における過労死基準についても、健康障害発症のリスクは、長時間労働と深く関わりがあることが医学的な見地からも証明されているとして、発症前16ヶ月平均で、月あたり45時間の時間外労働(残業)を超えると健康障害発症率が高くなるとしています。発症前1ヶ月に100時間ないしは、26ヶ月の平均で80時間を超える時間外労働(残業)を行った場合は、かなり強い確率で健康障害を引き起こす可能性があるものとして取扱われています。

この時間外労働の存在の有無にプラスして「勤務形態・作業環境・精神的緊張」があったかどうか?が加味されて過労死に係る労災認定の総合判断がなされてきた経緯があります。

ただ、これにも賛否両論があって、過労死等の判断要素の主を「労働時間の長短」としていることは偏り過ぎていないか?労働時間の長さだけで過労死認定の可否が決められているところがある!という反発の意見もあった訳です。

今回の札幌地裁の判決はまさにこうした声をくみ上げて判断したと考えられる可能性があります。なぜなら、残業もなく定時で帰れていた訳なので、これまでの「労働時間の長さ」を判断要素として考えれば過労死には当たりません。現に、旭川労働基準監督署は労災の不支給決定を下しています。これを覆し、「労働時間における大きな負荷はない」と明言しておきながら、どちらかというと今まで、長時間残業の存在を確認した後の総合判断で要素とされてきた「勤務形態・作業環境・精神的緊張」の方を前に押し出して(研修・異動の不安という点)労災認定を認めた訳です。
 
引用文中にもあるように、長時間労働が存在しないのに労災認定をしたのは初めてのケースです。地裁レベルですが、この判決は1つの判断とされて今後の労働基準監督署における現場事務や裁判に影響を及ぼすのではないかと思います。

労災認定がされると、会社の民事上の損害賠償の問題も出てきます。今回は1,660万円で判決確定がしたようですが、中小企業にとっては、経営を揺るがす大変大きな損害賠償額です。労務リスクによる一発倒産もありえます。事業経営上、社員の配置転換や異動は想定される範囲のことですが、時期や方法を誤るとこうしたケースに陥る可能性があります。

持病を抱えている社員であったり、異動場所が現在とは異なる新天地であったり、その時期がタイトであったりと、社員の置かれている環境が急激に変わってしまうような場合は、アフターフォローを怠らない労務管理が望まれます。

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