‐‐‐以下「産経新聞」より引用‐‐‐

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顔などに著しい傷が残った際の労災補償で、男性よりも女性に高い障害等級を認めているのは違憲として京都府内の男性(35)が国に障害補償給付処分の取り消しを求めた訴訟で、厚生労働省が、国に同処分の取り消しを命じた京都地裁判決について、控訴しない方針を固めたことが10日、分かった。

現在の労災の障害等級制度では、容姿に著しい傷跡が残った場合、女性は男性より等級が高く給付額の差も大きい。厚労省は、控訴断念の理由を「控訴しても、障害等級の男女差の合意性を立証できる見込みは小さい。男女の社会通念の変化として判決を受け止める余地があると判断した」としており、男性の障害等級を取り消したうえで、障害等級制度そのものの見直しをすすめるとみられる。

‐‐‐引用記事ココまで‐‐‐



先日、顔の火傷による障害認定に男女差が生じていることを違憲とした判決をご紹介しました。

この判決を受けて、厚生労働省側が控訴するのか否かが注目されていた訳ですが、控訴せずに労災の障害認定の基準を見直すこととなったようです。

これによって、今後は、同じ顔の火傷を負ったことによる障害認定に男女差はなくなり、同じように障害等級の決定が行われていく可能性が高くなります。同じケガでも男女の障害認定に差があることに違和感を持っていた方も多かったのではないかと思いますが、これでひとまず解消されますね。やはり、私の個人的な意見ですが、今回の判決は一石を投じた意義のある判決であったと思います。


「顔は女性の命」という言葉があるように、顔を火傷等によって傷を残してしまうことの精神的苦痛は、男性よりも女性の方が極めて大きな負担となるという社会の常識的なもので取り扱われてきた訳ですが、本当にそうなのだろうか?そうとも言えない?


一昔前よりも、価値観や物事の考え方が1通り(1通りではなかったかもしれませんが、多数派意見でないものに光は当てられなかった)ではなく、とても多様化してきています。そして、それを受け入れようとする世の中の土壌もできはじめつつあります。今回のように、時代背景に応じて修正を加えていくということは、非常に大切なことだと思います。


これについては、少し話が飛んでしまいますが、会社の労務管理においても同じことがいえるのではないでしょうか?何かを変えることは、非常に勇気のいることですが、変えるべきは変えていかなければなりません。まさにこれは「ダイバーシティマネジメント」へと繋がらないでしょうか?もっとも、多様化を前面に押し出して、何でもかんでも受け入れていたのでは収拾がつかなくなってしまいます。多様化していく土壌には、「差別」はいけませんが「区別」した取り扱いをして柔軟に対応するという部分も同時に持ち合わせていくことが大切です。中小企業こそ、状況に応じて区別をした取り扱いをすることは得意なはずです。そういったことからも、時代の波は中小企業にきていると感じています。



今回の判決の結果を受けて、顔などに受けたケガの程度による障害認定の取り扱いに男女差はなくなると思いますが、単にこれまでの女性の障害認定基準に男性も含めるというようなことはしないと思います。どのような顔のケガに対して障害補償の年金を補償し、または一時金を支給するのか?この部分に関しては今まで以上に区別して取り扱いがなされてくるのではないかと感じます。

判決によって基準が見直される背景とダイバーシティマネジメント。関連性はないように感じますが、どちらも私は「時流」というものが影響していて根底は繋がっていると思います。皆さまは、こうした流れ(変化)をどのように考えられるでしょうか。