ワークライフバランス
2010年04月20日
有給休暇の取得率を70%に・・・単品政策でないことを祈ります
‐‐‐以下「時事ドットコム」記事を引用‐‐‐
政府の雇用戦略対話ワーキンググループは、6月をめどにまとめる新成長戦略のうち雇用・人材分野について、2020年までの目標案を19日決めた。目標案は08年に47.4%にとどまる有給休暇取得率を、20年に70%に引き上げることなどを明記。余暇増大による消費刺激効果を期待している。政府は今月下旬、鳩山由紀夫首相らをメンバーとする雇用戦略対話の会合を開き、目標案の論議に入り、5月下旬に正式決定する。新成長戦略では、雇用・人材戦略を柱の一つに据えた。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐引用はここまで‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
現在の有給取得率は50%を割っています。
それを、70%に引き上げるというのは、これから10年という時間があるにせよ少し無理があるのではないでしょうか。
一般的に1日8時間としている会社が少なくありません。労働時間が週40時間・1日8時間という法定の縛りがあるため、変形労働時間制を採用している会社は除きますが、Maxの8時間×週5日で週の上限40時間となるために、残りの2日は休日としているところがほとんどでしょう。
週は年間で52週。52週×2日、104日の休日があります。また、国民の祝日が年間15日あることから追加すると119日になります。会社によっては、夏期休暇もあるところもあるので、年間で120日以上は休日ということになります。
人数が少ない中小企業では、これ以上増えると、会社自体がまわらなくなってしまう可能性があります。「消費刺激効果」という目的だけで休日を増やしたり、有給取得率を上げたために、労働日数が減ってしまい、日常業務の範囲でおさまりきらずに残業が発生してしまうことになれば、これは本末転倒というべきものです。
それは、国が労働時間を抑制し、短時間で成果を上げられるような方向へと政策をシフトしているからです。このブログでも「新年度とエイプリルフールと労基・雇用の法改正と。」で触れたとおりです。
また一方で、今の日本は世界的にみても年間の総労働時間が長い割に、これに見合う成果が出ていない状況にあることも事実です。これは見過ごせない見直さなければならない課題です。
日本生産性本部のレポートによれば、2008年における日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)は、OECD加盟国30カ国中20位、先進7カ国では最下位という結果です(日本生産性本部レポートはこちら)。資源がない国であるということを差し引いても、お粗末で残念な結果です。日本人全員が時間をかけているのに成果を上げられていない訳ですから・・・。
したがって、日本人の働き方というのは、これから見直していくべき課題です。その一つに「有給休暇の取得率を上げる」という柱を掲げることは悪いことではありませんが、今までと同様に、ただ目標設定をして、それを企業側に押し付けるだけの丸投げ状態にはしないで欲しいと切に願います。
取得率70%を実現するためには、相当なテコ入れが必要となるでしょう。労働基準法をはじめとする労働関係の法律も大きく変えていく必要が出てきます。「労働時間」をどう捉えていくか?ということも重要なキーポイントになります。取得率を上げられた企業には、奨励金や税制上のメリットをもたらすようなものが出てこなければ浸透はしていきません。有給だけ単品で取り上げて、そこをどうこう言っても、実効性に乏しい、何も変わらない(今までも変わっていない)ことは、言うまでもないことです。
実効性を裏付ける政策として、正式発表にはどのようなものが出てくるのか?これから見守る必要がありそうです。
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2010年03月03日
大手で初!女性常務の誕生
‐‐‐毎日新聞の記事を引用‐‐‐‐‐
日本生命保険は2日、矢崎妙子執行役員(62)が25日付で常務執行役員に昇格する人事を発表した。矢崎氏は「生保レディー」と呼ばれる女性営業職員出身で、同社では初めての女性常務。他の大手生保でも例がないという。
矢崎氏は71年に入社。千葉副支社長や千代田支社長などを歴任し、07年3月に執行役員に就任した。一貫して営業畑を歩み、営業成績で全国のベスト10に入ったこともある。
生保業界は少子高齢化で新規契約が伸び悩んでおり、既存顧客をつなぎ留めるのが課題。日生は営業現場に精通する女性幹部を登用することで、経営に現場の声を反映させる狙いがありそうだ。
‐‐‐記事引用はここまで‐‐‐‐‐
生保業界に限らず、女性管理職はどの業界でも少なく、その中でも女性で役員となるといないに等しいといっても過言ではありません。
先日放送された朝まで生テレビ(テレビ朝日)の討論において、「マスコミ(テレビ)業界には女性で役員というのはいない!何で?」というようなことを司会の田原氏が言及されていました。
私が思うこの原因は、
出産・育児による仕事との両立困難によるというもの。
育児休業といった法整備がされた今でも、女性が仕事と子育ての両立を継続していくことは非常にキツイものがあります。男女雇用機会均等法が施行され、あからさまな表向きの性差別はなくなりましたが、水面下で実質的にこの性差別が存在しているのは事実です。
「子育ては女性がやるもの」
ナンセンスですがこの考えが根底に流れていることは否めません。
一方、「女性の転職に関する調査」と題して未婚者320人に行ったアンケートデータを見ると、次のようになっています。
| ◎結婚をして子どもができたら一旦は仕事を辞め、子どもが大きくなったら仕事をしたい・・・41.6% ◎結婚して、子どもができても仕事を続けたい・・・35.6% |
出産を経ても働き続けたいと考えている女性は7割を超えています。
働き続けたい!と思っているわけですね。
そして、結婚して子供ができても仕事を続けたいと答えた人達に対して、実際に子供が生まれて子育てをする際に何について気をつけるのかを更に聞いていくと、
| ◎急な休みや早退が可能かどうか・・・78.1% ◎職場の人が育児に対する理解があるかどうか・・・74.6% (複数回答) |
という結果になっています。(いずれもイーキャリア調べ)
ひと目で、周りを取り巻く環境を気にしていることがわかります。
育児は、周囲の理解や助けが必要不可欠です。これは会社においても同じことではないでしょうか。
・短時間勤務措置で周りよりも早く帰ることの罪悪感
・子供の病気で突然会社を休むことの罪悪感
等々。
「育児・子育て」といって、早く帰れてイイよね~!お気楽だよね~!という周りの冷たい目があったらどうでしょう?
実際に、このような視線が、上司だったり、同僚の男性社員だったり、未婚や子供のいない女性社員から目を向けられている職場はあります。
まだ今の管理職世代は、自分達が若かりし頃、「プライベートをビジネスに持ち込むことはタブー視されていた時代」ですので、理解しがたいことなのかもしれません。
仕事を続けたいという意志を持ちつつも、まだまだ現実は周りを取り巻く環境が法整備に追いつけていない!ということなのでしょう。最終的に両立できず、精神的にも辛くなって退職をしてしまうということに繋がるのだと思います。女性のキャリア確立はここ十数年言われていますが、依然不安定なのも、こうした根深い問題が根底に流れているからなのではないでしょうか。
子育てしながら仕事をしている先輩社員がいない・・・
お手本にしたり、相談する人がいないというのは、心折れますよね。辛ければなおさらその折れる速度は早まります。結局、女性の就労定着率が安定しない。
こうしたことを問題視して、政府主導のもとはじまった「ワークライフバランス」が叫ばれて久しくなります。女性の労働力にどの企業も注目をし始めています。労働力人口が減少していく中で、どのように女性を有効に人材活用していったらいいのか?まだまだ国も企業も迷走しているところがありますが、今年の6月30日に育児介護休業法が改正されます。
女性の就労率をあげるためには、保育園・幼稚園・託児所などの施設面充実もさることながら、周りにいる人間(職場なら上司・部下・同僚仲間、家庭なら夫)が、意識を変えて協力体制を作らなければ、どんなに素晴らしい制度や施設があろうとも、女性の仕事と子育ての両立も、少子問題も解決されません。
冒頭の記事に話を戻しますが、
日本生命の矢崎常務執行役員のようなケースが、決して珍しいことなのではなく、こうしたことが当たり前のように日本の雇用社会に増えてくれば、閉塞感漂う日本の新しい扉を開くことに繋がると思います。
男性には持っていない女性独自の視点・・・
これがビジネスに生きたりするからですね!!男性と女性、それぞれが足りない部分を補っていくことで、企業の組織は発展していきます。
そんなの理想だ!無理だ!
という考えが大方だと思いますが、
理想と言ってしまえばそれまで。
無理だと考えればそれまで・・・です。
御社では、この話題をどのように考えられますか?
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2010年02月25日
2009年の賃金構造基本統計調査が出ました
昨日、厚労省から平成21年度における賃金構造基本統計調査が出されました。
‐‐‐時事通信記事を引用‐‐‐
フルタイムで働く労働者の2009年の平均月給(ボーナスや残業代などを除く)は前年比1.5%減の29万4500円で、4年連続で減少したことが、厚生労働省が24日発表した賃金構造基本統計調査で分かった。世界的不況を受けて定期昇給の見送り・減額などで基本給を引き下げた企業が多く、減少率は現行調査が始まった1976年以降で最大となった。
調査は10人以上が働く4万6080の事業所を対象に、昨年6月分の給与に関して行った。
男女別では、男性が2.1%減の32万6800円、女性が0.8%増の22万8000円。男性が4年連続で減少する一方、女性が4年連続で増加した。
雇用形態別では、正社員が31万400円で1.9%も減少したのに対し、契約社員など非正規(短時間労働者を除く)は19万4600円と0.1%減にとどまった。生産の低下に合わせ非正規は雇用者数、正社員は給与を、それぞれ削減する企業が多かったためとみられる。
‐‐‐ここまで時事通信記事を引用‐‐‐
景気が悪い・・・。
この統計からも一目瞭然です。
契約社員を代表とする非正規の枠組みに入る方々の給与は0.1%減ということで、数字だけを見れば影響のない印象を受けますが、そもそもの給与額が194,600円です。
引用記事にあるように、あまり減少のない理由として雇用自体を減らした要因もあると思いますが、別の視点で見れば、月の平均所定労働時間数を177時間と仮定し時間換算すると、時給1,000円です。最低賃金にはかかりませんが、これ以上は社員の方々の生活があるため下げられないという影響も多少あるのではないかと考えられます。
しかし、それでも会社はコスト削減をしていかねばなりませんので、その波は遂に正社員にまで及び今回のような結果となったということでしょう。
この賃金構造基本統計調査には、ボーナス・残業代は含まれていません。給与を減少させたといっても、残業が発生すれば(それでも多少は人件費の抑制に繋がっているのかもしれませんが・・・)結果的に会社の負担は増える(あるいは変わらない)ことになります。
この経済不況下に依然、会社経営は苦しい状況が続き、まだ削減できる余地はないか?と考える。一方、社員はなかなか給与が上がらないどころか、給与・賞与は下がり続けているという不満を抱え、会社・社員双方の溝は深まるばかりなのですね。
市場の消費の落ち込み
↓
売り上げがあがらない
↓
給与を下げる
↓
社員の士気が下がる(社内の雰囲気は暗くなる)
↓
作業効率が落ちる
↓
残業発生
↓
給与を下げても会社の人件費は嵩む
という悪循環の繰り返しに陥ってしまうのです。
さらに高齢化の波が進んで働き手も減少していきます。
これからの時代に生き残る強い会社は、
「限られた時間(所定内時間)の中で成果(売り上げ)をあげることができる」
ということがポイントになります。
そして、これを実現できれば、成果(売り上げ)は維持あるいはアップに繋がります。限られた時間=残業は発生しませんから、人件費に占める残業コストもかからないため、給与も引き下げる必要はありません。
また度々、このブログでもご紹介しているような過労問題も解消することが期待できます。
これを一言で今風に言えば「ワークライフバランス」ということなのだと思います。まさに今のこの不況を打開する道だと私は思っています。
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