ここ2~3年ほどで在職老齢年金のご相談が随分と増えました。「団塊世代」と呼ばれる方々が定年退職を迎えられているからなのでしょう。先日も顧問先の社員の方が定年を迎えられるということで、年金のご相談がありました。

そこで早速、年金の加入記録を取り寄せたのですが、加入記録を見てビックリ。厚生年金に44年も加入されていらっしゃいました。


「厚生年金加入記録が44年(528月)」という響きで“ピン”ときた方もいらっしゃるかもしれません。

そう!
「長期加入者特例」に該当される方なんです☆


16歳から社会に出られて44年。それも、職種を変えることなく44年間ずっと同じ仕事をされ続けてらっしゃる方でした。

仕事に限らず、何に対しても言えることですが、“続ける”ことは、言葉にするのは簡単ですが、実行していくことは本当に大変です。心が折れることだってあるでしょう。「継続は力なり」という言葉がそれを表しています。


社会のため、家族のため、そして自分の自己実現のため、


44年という歳月には仕事をしていて、楽しかったこと、悲しかったこと、頭にくること、辛かったこと、感動したこと、もう辞めてしまいたいと思ったこと、何度となく思ってきたことだろうし、きっと語りつくせないほど思い出も一杯あるのでしょうね。

たった3枚の味気ない加入記録ですが、眺めていたら、

この方のこれまでの職業人生を少し垣間見ることができたような気がしました。


本当に頭が下がります。


まだまだ現役を引退される訳ではありませんが、一つの節目として、まずは「お疲れさまでした」の言葉に尽きるなと思いました。






ちなみに【長期加入者特例】について少し。

次の(ア)~(ウ)に該当する必要があります。

(ア)男性:昭和16年4月2日~昭和36年4月1日生まれであること。
   女性:昭和21年4月2日~昭和41年4月1日生まれであること。

(イ)厚生年金保険の加入期間が44年(528月)以上あること。

(ウ)厚生年金の被保険者となっていないこと。


本来は、年金の支給開始年齢が段階的に65歳へと引き上げられるている途中段階の方々ですが、

上記の要件に該当すると、報酬比例部分の支給開始年齢に合わせて「定額部分+報酬比例部分」のセットで年金額を受けることができます(下図表参照)。

イメージとしては、報酬比例部分の下の空白となっている部分(本来であれば年金が支給されない部分)を穴埋めしてくれているような感じです。これは大きいですよね!!


(男性)昭和16年4月2日~昭和24年4月1日までの人
(女性)昭和21年4月2日~昭和29年4月1日までの人
gensoku




(男性)昭和24年4月2日~昭和36年4月1日までの人
(女性)昭和29年4月2日~昭和41年4月1日までの人
reigai


※図表内の生年月日は男性の場合。女性は5年遅れです。





ただ・・・

これはあくまで「特例の措置」なので、

そのまま現役を続けて厚生年金に加入し続けるような場合は、

上記(ウ)の条件を満たさないことになるため、この特例は残念ながら使うことができません。

もちろん、パート・アルバイトになって

社会保険に加入しない(正社員の4分の3未満の)働き方をすれば良いのですが、現実はそうも言ってられません。

年金はリタイアすると安定した所得がなくなるから、代わりに受けるもの。

確かに理解できますが、44年も社会に貢献されてきた方だけに、何か納得がいかないような気がしますよね。。。